日本語ラップ界には3人の「KJ」が存在しており、俺は「3大KJ」と呼んでいる。
3者とも「KJ」を別名として自認しており、日本語ラップシーンに多大なる影響を与えた傑出したラッパー達でいまだに現役。「3KJ the hard way」とでも言うのだろうか(意味不明)。それぞれ紹介していく。
Kohjiya
今の若いヘッズにとっては、ラッパーでKJといえば、この男が真っ先に思い浮かぶ人が多いのではないだろうか。
Kohjiya(コージヤ)は、2002年生まれの21歳で、長崎出身・東京在住のラッパー。2024年のラップスタア。彼の名前は地元の麹屋町(こうじやまち)に由来している。12歳の時に地元でクリエイティブコレクティブMADz’sを結成。個人名義での音楽活動は17歳から始まり、ラップスタアになる以前から、IOなどからフックアップされていた。KohJiyaのKとJをとって自身をKJと呼び、ミニアルバム『KJ SEASON』を2月7日にリリースしている。2024年は出来レースと揶揄されたラップスタアで順当に優勝し、KJ旋風を巻き起こしている。「2024年KJシーズンが到来」ということでラップスタア誕生ではデッドストックらから「シーズン君」と呼ばれていた。
Twitter民としてのKohjiyaも一時期話題になったが、ナード過ぎてマネージャーにTwitterをやめさせられたらしい。過去のツイートも掘り起こされていたが、そのようなマッチョイズムとも距離感があるところもファンを惹きつけるポイントだ。
去年(一昨年だったかな?)、Kohjiyaが自身スマホのスクショをアップしているのを見た目敏いヘッズが、Kohjiyaのスマホのウェブブラウザが「Brave」であることを特定していた。Braveは広告が自動で削除されるブラウザで、うざったい広告が表示されなくなるので、「広告ブロッカー」などのアプリをインストールしなくても快適にネット閲覧ができる優れものである。PC版ではブラウザを利用するだけで「BAT」という暗号資産がもらえる(今はスマホ版でももらえるのかもしれないが俺は利用していないのでわからない)。こういう、Kohjiyaのナード的側面が絶妙に垣間見える瞬間が割とあるので、KohjiyaのSNSやライブ映像からは目が離せない。
俺がKohjiyaを最初に知ったのはiTunesストアで音源をディグしていたとき(iTunesストアで音源漁っている人なんてあまりいないと思うが)にたまたま「NEW WAVE」見つけて速攻買った。その時多分Kohjiyaは高校生だったと思うが、ラップスタア初登場でコーンロウの出で立ちを見たときに意外といかついんだな、って思った。
KOHEI JAPAN
KOHEI JAPAN(コーヘイ・ジャパン)は、日本のヒップホップシーンで重要な役割を果たしているラッパーであり、トラックメイカー。MUMMY-Dの兄。彼は1991年にヒップホップユニットMELLOW YELLOWを結成し、日本語ラップの発展に寄与した。MELLOW YELLOWではMCとして活動し、FUNKY GRAMMAR UNITの一員。
声も顔もMUMMY-Dに似ている。独特の粘り気あるラップと声が印象的。
2000年にはソロ名義でアルバム『The Adventures of KOHEI JAPAN』をリリースし、以降も様々なアルバムやシングルを発表している。特に2007年にリリースしたアルバム『Family』は、家族愛をテーマにしたコンセプトアルバムであり、商業的にも成功を収めた。RHYMESTERのブラザーズ (feat. Kohei)とマボロシの「日本の親父 昭和の親父 feat. KOHEI JAPAN」は名曲中の名曲。
「K.J.」という名前でも活動しており、この名義でも多くの楽曲をリリースしている。
尾羽打ち枯らしたラッパーと思うことなかれ。再生数こそ少ないものの、2024年には新しいシングル『Tateshina』、『Hey Mr.DJ』、『STUDY』をリリースしている。全然話題になっていないが。近年さらにフローも含めてMUMMY-Dに似てきている気がする。
Kj (Dragon Ash)
Kj(ケージェイ a.k.a 降谷建志)は、Dragon Ashのボーカルおよびギタリストであり、バンドのほとんどの楽曲の作詞・作曲を担当している。一時期HIPHOPに傾倒しており、HIPHOP・ロックシーンを股に掛けるカリスマとして若者から絶大なる支持を集めたが、ZEEBRAによる公開処刑によりラッパーとしてのキャリアは停止した。近年RIZEのJESSEとの共演を経て割と本格的なラップを再開している。MEGUMIと結婚していたが、ZEEBRA同様不倫して離婚。
↑このライブ映像はKjの数あるライブ映像の中でも最も好きなライブ。「そんな曲ありませ〜ん!」ってあるだろ笑、といつも思う。煽りの「とびはねろーーーーーーーぃ!」で一気にオーディエンスのバイブスを上げるKjカッケーよ。
三者三様のKJ ―― 日本語ラップの多様性を象徴する存在たち
このように、同じ「KJ」という名を持ちながらも、全く異なるバックグラウンドと個性を持つ3人のラッパーたち。世代も活動スタイルも違えば、ラップスタイルも全く異なる3者だが、それぞれが日本語ラップシーンに独自の足跡を残している。
若きフレッシュな才能Kohjiya、日本語ラップの黎明期から活躍し続けるKOHEI JAPAN、そしてロックとヒップホップの融合を体現してきたDragon AshのKj。それぞれの「KJ」が切り開いてきた道は、日本のヒップホップカルチャーの多様性と進化を象徴しているといえるだろう。
3人の「KJ」の存在は、日本語ラップが単一のスタイルや世代に収まらない、豊かで層の厚い文化であることを示している。これからも彼らの動向から目が離せない。さあ、あなたはどの「KJ」に一番惹かれるだろうか?俺はF.R.E.S.Hなシーズン君が好きだ。
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