夜猫族の新曲を聴いていたら、nomaのバースで明らかにZEEBRAをディスっている部分があった。nomaは夜猫族のメンバーとして高いラップスキルを持つラッパー。ZEEBRAがアルバムを出さず、ラッパーとして活動していないことを批判するバースを披露していた。
夜猫族の新曲にてnomaがZEEBRAをジジイ呼ばわりするディスを表明
夜猫族が9月1日にクルー名義でのフルメンバー参加の楽曲「一日目 (feat. noma, XakiMichele, tip jam, Tade Dust & Bonbero)」を発表した。
着目すべきは、初っ端のnomaのバース
アルバムも出さずたまに顔だけ出すジジイ マイク貸せ 砂漠と化したサバンナでまだ息巻くシマウマの首根っこ噛む
「不可能も可能になるからこそ」って部分ももしかしたらストドリを引用しているのかもしれない。
シーンの中心人物であり、大御所中の大御所、日本のヒップホップシーンの父という第一線のプレイヤーからちょっと退いてしまった感があるZEEBRA。フリースタイルダンジョンやWREPをはじめとする番組の製作も指揮をとり、裏方的要素が比重が大きくなってきているが、今でもライブやYouTube番組のショーケースには出ていて、スキルは健在。
nomaのディスは結構鋭利で、「アルバムを出さない」「顔だけ出す」「シマウマ」といったワードから、ZEEBRAをディスの対象としていることはほぼ間違いない。「砂漠と化したサバンナ」ってのも、もしかしたらキングギドラの楽曲「友情」にある「意気消沈させられそうな過酷なサバンナ」に対するアンサーかもしれない。明確にここぞとばかりに痛い部分を攻撃している。多くのラッパー、リスナーが思っていることをこうやって曲中で言ってくれるのはありがたい。
nomaとZEEBRAは関係性が薄いってのもあるだろう。ラップスタア誕生ではRYUZO、アナーキーらの大御所とは共演を果たしたが、バトルシーン(高校生ラップ選手権、フリースタイルダンジョンなどの企画)においては鳴りを潜めていた夜猫族。当初Kダブはラップスタアに出演しており、番組名も「ラップスタア誕生」だった。ZEEBRAの「フリースタイルダンジョン」という曲名からとった番組名に対して「スタア誕生」というキングギドラの1st『空からの力』収録のKダブのソロ曲をもじったものだろう。それぞれ黎明期から活動している二人の曲のタイトルを冠している番組だが、ZEEBRAもDOTAMAにバトルサミットでのバトル中に「アルバムいつ出すんすか」と突っ込まれていたし、Kダブもラップスタアの楽曲製作セクションでnomaが圧勝したSATORUから「〇ね Kダブシャイン」というまんますぎるディスを送られていた(しかし、逆にweek dudusには楽曲内でリスペクトを送られていた)。
夜猫族のメンバーについて
以下が夜猫族(night cat fam.)の主なメンバー。
- noma
- XakiMichele
- tip jam
- Tade Dust
- Bonbero
- TAXON
- FFFFFF
- DJ NOBE
その他、ラップスタアでも大活躍して才能のえげつなさを見せたD3adStock、同じくラップスタアで多大なる爪痕を残し、蓼(Tade Dust)と付き合っていると噂されるsheidAも夜猫族と関係が深いが、正式なメンバーなのかどうかはわからない。というか正式にクルーに入るっていう基準がすごく曖昧なのかも、とか思ったりする。舐達麻を擁するアフロディーテギャングに関しても、ニートTOKYOのインタビューでクルーのメンバーかどうかにバダサイが明確な線引きはなく、本人がメンバーの一員だと言ったらそいつはもう既にメンバーらしい。ギャングだがMS(13)みたいな過酷で非道な通過儀礼はないようだ(当たり前か)。
以前までのラップスタアではnoma、Bonbero、Tade Dustも出場しており、3者とも惜しくも優勝は逃してしまったものの圧倒的なインパクトを残した。noma以降のラップスタア誕生では毎回夜猫族のメンバー、もしくはその周辺のラッパーがかなりいいとこまで勝ち進んでいる。
俺は平成の終わり頃にサンクラでTade DustとBonberoのKAKASHIという曲を知り、衝撃を受けた。この頃はまだ高校生だったらしく、その事実は俺を驚愕させた。もうこの頃からスキル完成されてた。
nomaについて
nomaを知ったのはラップスタアに出ていたのがきっかけ。今の見た目とは全然異なる、金髪でおかっぱみたいなフェミニンな髪型で、オーディションの審査映像でも「女の子」だと思った、審査員から驚かれていた。ラップはさすが夜猫族のメンバーなのでめっちゃうまい。福島県出身。父親に金をせびられて拒否したら値切られたりという劣悪な家庭環境であったということが番組内でも紹介されたが、同時にお茶目でユーモア溢れる一面もある。インスタライブか何かで披露したralphの声真似「これはLIFE」などはその完成度の高さから一時期Xなどで話題を集めた。
また、nomaは物怖じしない性格なのかもしれない。ラップスタア出演時の決勝のMCではコロナ中に行われたこの番組の企画自体を「茶番」と評し、アナーキーに「なめてんのかお前」とぶちキレられていた。確かにnomaが「茶番」であるとディスした真意が全然わからなかったため、アナーキーが憤怒するのも頷けた。
ラップスタアの過去作は全てABEMAプレミアムで見れます。また、ラップスタアの裏側などの「限定公開動画」、その他ラッパー・DJに密着した「my name is」、「BADHOP1000万1週間生活」が面白すぎるのでオススメです。
ABEMAの公式サイトはこちらからそんなnomaが噛み付いたシマウマ。もしかしたらRAU DEFの時みたいに一部売名の意味もあるのかもしれないが、あまり話題になっていない気がする。ディスの内容は誰もが思っている「アルバムを出せ」というものだが、果たしてシマウマはいつアルバムを出すつもりなのか。また、夜猫族に対するアンサーはあるのだろうか。まるまる一曲を使ってアンサーするってことはさすがになさそうだけど。
そういえば、BOSSにもディスられていた
忘れていたが、そういえば、6月にTHA BLUE HERBのILL-BOSSTINOにもディスられていた。曲でじゃなくて、ライブでだけど。
若いラッパー戦わせてレジェンド気取るな 酔った勢いでフリースタイルじゃなくてさ、作り込んだアルバムで○してみろよZEEBRA
うむ、まさにそうだ。おっしゃる通り。ぐうの音も出ないはず。先日ブルーハーブのライブに行ったが、ライブ力というか、ボスが放つ言葉の力がすごかった。ライブ中のオーディエンスの高まりと熱気は圧倒的リーダーの地方遊説みたいな空気感であり、かつHIPHOPのパーティの主役としての振る舞いも格別だった。もはやブルーハーブは音楽じゃないと揶揄するHIPHOPファンも俺の周りにはいるが、ライブを見ると無茶苦茶ラッパーであることがわかる。そして酔っ払い客のいなしかたもうまい。ボス自身も昔から北の地下深く技磨くライマーでありながら、レジェンド感も一切出さず、アルバムも出してるし現場主義でライブも精力的にやってる。そんなボスが真っ当すぎる意見をいうものならZEEBRAとてバツが悪すぎるんじゃないかな。マミーDとの和解を果たしたボスが今度はZEEBRAに物申した。ディスというより、檄を飛ばしたって感じだが。
次の日、これを受けてZEEBRAは以下のポストを投稿
不倫したり料理番組する暇あるならアルバムを作ってほしいと思っていたが、一応製作はしてるのか。
ジブラは今でもスキルも健在で第一線のプレイヤーとしての作品を出す力があるし、ヘッズを唸らせてくれる作品を作ってくれるのが間違いないからかくいうディスを受けるということもヘッズは十分理解していると思う。
NORIKIYOに対するアンサーは次のアルバムに入れる、と表明してから幾星霜。もうちょい待ってくんね!とのことなのでもうちょい待つか。頑張ると言っているので結構気合い入ってそうだ。楽しみ。
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