環ROYは日本のヒップホップシーンにコミットしているか。

先日、日本語ラップシーンにおいて物議を醸した一件のツイートがあった。

Zeebra@zeebrathedaddy

日本は日本の歩みで良いって言う人も居るけど、俺が愛して止まないUSのヒップホップではシーンにコミットしてないラッパーなんか居ません。それが俺にとってのヒップホップなんで、俺の中ではそれが正義です。

2016/08/08 00:21:59

 鼻息荒いシマウマのシーンに対する清廉潔白な思い、a.k.a願いである。

この日本語ラップ界の重鎮に対して、愛憎半ばにコミットしようとする環ROYというラッパーがいる。

件のZEEBRAのツイートを見て、俺が真っ先の思い浮かんだのは、環ROYのアルバム「BREAK BOY」だった。

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このアルバムで環ROYはシーンにコミットしすぎなくらいコミットしている。fragment、DJ YUI、七尾旅人らはじめとする”村の外”のアーティストとコラボする一方、口ロロ、Olive Oil、PUNPEEといった黎明期の日本語ラップの流れを汲んだアーティストとも共作している。あまつさえ4曲目の”J-RAP”ではさんぴんcampをディスり、KREVAに対する絶対的なリスペクトを提示している。 

二木信との対談では、ギドラやジブラの楽曲を歌えると言いつつも、シーンの”幹部面している奴”がヒップホップ外の音楽家に働きかけていることを無視していることを嘆いている。

俺が気になったことは、環ROYは日本語ラップを本当に愛していて、だからこそアジカンのゴッチやクラムボンといった、日本のヒップホップに理解があり、シーン全体に末広がりな効果をもたらしてくれるアーティストにコミットしているのだが、それをシマウマはどう思ってるんだろう、ということだ。


↑この曲を聴いて2、3回は泣いた。

ZEEBRAは環ROYを悪しからず思っているだろうが、積極的に彼の音楽を肯定しようとしているのだろうか。
環はZEEBRAのコンサバで排他的な姿勢が気に入ってないのは彼の楽曲を聴けばわかる。しかし第4次日本語ラップブームが到来した今、フリースタイルでもそれなりの実績を上げており、幅広い視野を持つ彼の洞察力が優れていることに注目する人は多いはず。シーンにコミットしているという意味では鎮座やPSGに比べて個人的にヒップホップに純愛100%のプロップスを送り続けているのは環ROYなのではないかと思う今日この頃。

ジブさんが老害とまでは言わないし、俺も懐古主義的なラップは大好きだが、諸手を挙げてさんぴん万歳とはいつまでも言ってられないよな。

とりあえず夏だしこれ聴いてチルしよう。

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