SRサイタマノラッパー、ドラマ化!やったね!

入江悠監督のSRサイタマノラッパーシリーズが4月7日よりドラマ化することが決定された。ヤフーニュースにも載った話題のニュースであるが、SRシリーズのファンとしてはかなり嬉しい吉報である。サイタマノラッパーは2009年に公開された映画であり、ラップで名声をゲトるために若者(ヤングな世代とは言い難いが)の姿を描いた作品だ。



 1作目は、日本で、田舎のいなたい若者がラップグループ「SHO-GUN」を結成し、土地に全く根付いていないヒップホップを使ってのし上がろうとする泥臭い内容であるが、日本語ラップファンなら、特に田舎で生きる人には重くのしかかってくるようなシーンのオンパレードだ。日本語ラップが嫌いな人にとっては、ただただ痛々しく感じるだけの内容かもしれない。何より、俳優たちの演技とラップが、正直ダサいのである。しかし、このダサさが日本語ラップファンなら琴線に触れること請け合いである。


 今でこそフリースタイルやサイファーなどがメディアで紹介されて流行っているが、昔からラップをやっていた人たちはこの映画で表現されているような「痛いヤツ」のレッテルを勝手に貼られていたに違いない。市の会議所で「教育 金融 ブランニュー」という曲を披露する「SHO-GUN」は雄姿は本当に見るに堪えない。雄姿なのに見るに堪えないという、この映画体験の素晴らしさたるや!


 サウンドトラックも素晴らしい。

 出演者たちは、名優・駒木根隆介演じるMC IKKU、水澤紳吾演じるMC TOM、奥野瑛太演じるMIGHTYらであり、ラップは初心者のようであるが、最初はマイティがこの3人の中ではスキルが突出していたように思う。しかしこのシリーズは3作目まであり、3作目では、イックとトムのスキルの上達ぶりがハンパないことがサントラを聞けばわかる。映画を通して、役者陣のラップが上達していることを確認できるという2重構造も、この映画シリーズの醍醐味である。1作目と3作目で同じ曲がそれぞれのサントラに収録されているのだが(3作目の方は征夷大将軍をfeat.したreimix)、イックのラップスキルが本当に上達していることが明白だ。マイティ(奥野瑛太)においてはもともとヒップホップが好きだったようで、m.c;ShockBoots名義でアルバムも出しており、レジェンド、いとうせいこうとも客演している。

  3作目、『SRサイタマノラッパー〜ロードサイドの逃亡者〜』の舞台挨拶でマイティを演じる奥野瑛太に聞いたところによると、「ブッダブランドはやばいです」と言っていたことを思い出す。R.I.P DEV LARGE.
 
  また、P.O.Pの上鈴木兄弟もラップ監修をしており、弟の上鈴木伯周は、作中においては1作目で鬼籍に入ってしまったDJ TKD(タケダ先輩)としても出演しているし、3作目では、このあいだのフリースタイルダンジョンで善戦しインパクトを与えたHIKING a.k.a. TAKASE、HOOLIGANZのTAKUMA THE GREAT(タクマは本人役)も出演している。俺は映画館のイベントでHIKING a.k.a. TAKASEのライブとフリースタイルを見たが、ヤバすぎるスキルだった。スキルがずば抜けていて、お客さん(映画館の観客)も大盛り上がりで、今は空前のフリースタイルブームだが、あの頃から、ヤバいフリースタイルラップを披露するラッパーは確かにいた。そして3作目ではTAKUMA THE GREATが、本格的なMCバトルを演出している。
 とにかく俳優のラップもいいのだが、3作目はプロのラッパーの妙も味わえるので未見の方はチェックすべしだ。

 入江悠監督主催のメルマガのポッドキャストがあり(僕モテ僕モテpodcast!)、毎週映画のレビューが繰り広げられているのだが、その番組にはイック役の駒木根隆介、上鈴木伯周も出演しており、撮影の小話なんかも聞けて面白い。イックはサイタマノラッパーが終わってからラップをしていなかったようで、撮影が決まってからまたラップを練習しているようだ。3作目に行くまでにスキルアップしていたが、またスキルダウンしているのだろうか・・・。ローラも楽しみにしているだろうドラマが待望すぎて待ちきれないZE!

 安藤サクラのラップを堪能できる『サイタマノラッパー2〜傷だらけのライム〜』もおすすめです!

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