SIMON JAPの過去について。JA飛龍の楽曲がかっこいい。

今更だが、大晦日に放送されたフリースタイルダンジョン、口迫歌合戦を見た。Youtubeで。

 本家の歌合戦は全然「合戦」ではなく、戦いでもなんでもないが、こちらのラップバトルは完全にバトル然とした風情で、見ているこちらもグイグイ引き込まれる試合が多かった。
 特に俺が目を引いたのはGADORO対SIMON JAPだった。この試合でGADOROがしょっぱなに放ったライン「相手はJA飛龍 申し分はねえな」を聞いて、「えっSIMON JAPってJA飛龍だったの?」と驚いたからだ。寡聞にして知らなかったのだが、かつてSIMON JAPはJA飛龍の神風だったのだ。俺はJA飛龍の存在自体は知っていて、2002〜2003年くらいの頃はかなり好きだったため、急にJA飛龍というワードが出てきてテンションが上がってしまった。MCバトルの動画で知ったSIMON JAPというMCが、俺が昔好きだったJA飛龍のメンバーと同一人物だったとは。
 正直こういうことはよくあって、後になって「あれってあいつだったのか!」みたいな面白さを味わえるのが日本語ラップの魅力。姿をくらましてシーンから去ったと思いきや、別の名義で活動していたりすることが多い。もしかしたらニッポニアニッポンなんかも違う名前で活動していたりして。ケツメイシのカトマイラとfeat.している「CLUB へ」で歌っている、誰かわからないけど俺が一番好きだったMCが鎮座ドープネスと知った時の驚きも相当なものだった。
 俺が初めてJA飛龍の存在を知ったのは、映画『凶気の桜』のサウンドトラックにJA飛龍(feat.PROJECT 雷電)が 参加していた曲を聴いた時だ。ちなみに映画のサウンドトラックとしては超名盤なこのアルバム、持っていない人は聴いてみてほしい。 映画見ていなくても楽しめるし普通にオムニバスとしても最高。

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 日本でヒットする前のJUJU、HI-TIMEZ(現Spontania)も参加しており、今では考えられないくらいスキルフルで本物のプレイヤー感を醸し出していた。本当にJUJUもHI-TIMEZもかっこよかった。「アウトロー」のZEEBRAのフックも最高。

 このアルバムの中でJA飛龍はfeat.PROJECT雷電で「リベンジ」、「ジャッカル」という曲を発表している。どちらも超がつくほどハードコアなリリックと、物騒な殺し屋みたいなまさにジャッカルみたいなフロー(聴いた人はもっと声張れよ!と思うかもしれないが静謐な発声がある意味怖さを引き立たせている)、にもかかわらず慎重なライミングがリスナーの耳をつかんで離さない。映画の内容にも沿っている。当時ケーダブ主催のアトミックボムと仲よかったことからこのアルバムに参加したのかもしれないが、確かにケーダブが好きそうなラッパー集団である。俺はこの2曲が好きで、当時JA飛龍の情報を片っ端から集めようとしていたが、今ほどインターネット環境も充実しておらず、SIMON JAP(神風)の知名度も低く、なんなんだこのJA飛龍っていうアーティストは?という疑問でいっぱいだった。ヒップホップ留学をしに渡米したという眉唾な情報をどこからかつかんで自慢げに友人に話していたものだ。本当にJA飛龍はかっこよかった。

 一つ今でもわからないのが、PROJECT雷電とは一体なんなんだ?ということだ。この映画に関連して始動したプロジェクトなのだろうか。JA飛龍のメンバーが、「神風」、「竜巻」、「犬神」なので、「震山」と「稲妻」はPROJECT雷電のメンバーということになるのだろうか。稲妻の声が個人的にすごく好きだったため、そのへんが知りたくなってきた今。
 あと、オムニバスアルバム『CHANGE THE GAME』の「CHANGE THE GAME」を聞いた時は、JA飛龍っておっかないイメージあるのに意外とまともでちゃんとしたこと歌うんだな、と驚いたことを覚えている(でもやっぱ全然声張らないな!)。そうか、頃から既にUBGやABCと交流があって、ZEEBRAの取り巻きっていうよりは昔から普通に関係あって共演もしてるんだな。


 
 とにかくSIMON JAPこと神風はかっこいいのでバトルはもう出るのかはわからないけど、音源を出したら積極的にチェックしていきたい。なんだかんだ保守的なラップが好きな人も多いと思うからケーダブのアルバムもおすすめしておきます。リスナーにセルアウトって言われているがそのへんのアンサーも聞いてみよう!

コメント

  1. NARI より:

    JA飛竜と聞いて同じくびっくりしました。
    我がラップ人生、全く同じ道を通ってきてます。
    凶気の桜のサントラ最高ですよね
    Let me flowラップの切れ味鋭すぎ。
    今のラップも好きだけど
    この頃のラップみたくボリュームがない人が多い、
    フロウや熱量でごまかさない確かなライミング
    推敲にかける時間が違いますよね
    笑っちゃうぐらい熱くなれました。
    MSCのドープなライムにビート。
    SEEDAのファーストにISH-ONE、
    DOBERのセカンド、SPHEREとUS寄りにはBLの存在。
    何回聞いてもワクワクしますよね。
    日本語ラップとJAPANESE HIPHOP、この頃のバランスが好きでした。

  2. コメントありがとうございます!Let me flowは本当にかっこよかったですよね!当時友達と歌いまくってました。「お邪魔しまーすで人を騙す」とか何回も言ってました笑
    あなたのおっしゃること、すごくわかります。おそらく同年代でしょうね!楽曲の作り方も当時とは変わってるところも多いんでしょうね。

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